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 *

今日家に姉貴が帰ってきた。
身分違いの恋に苦悩しながらなんとか結婚までこぎつけた姉貴。
婚姻先を追い出された訳ではなさそうなので安心する。

あの姉貴にベタ惚れ状態の道明寺さんならしばらくは大丈夫だと安心している。
姉貴のどこがいいのか聞いたなら「全部惚れてる」だもなぁ。

道明寺さんが出張でいない間の里帰り。
「家を建てたの知らなかったよ」
なぜ知らせないと頭をつかまれげんこつグリグリって・・・
俺!中坊じゃないぞッ。
少しはセレブの奥さまらしくなったかと思ったが、全然変わっていない姉貴の態度にホッとした。

久しぶりに4人で囲む食卓。
にぎやかさが増していつにもなく上機嫌なオヤジ。
「つくし~」とたまに酔っ払って寂しがって涙をほろりと流すことは内緒にしておこう。

「頻繁に帰ってこられたら心配になるわよ」
冗談かマジか分かんない顔のおふくろ。

「心配なんかさせないから大丈夫」
にこやかに姉貴が言い放つ。

姉貴が返ってくるとしたら道明寺さんと喧嘩して気が収まんなくて屋敷を飛び出すパターンはありそうだけど。
それも痴話げんかかじゃれあいかそんなもんだろう。
深刻な事ってこれまでにほとんど終わってしまったと僕は見ている。

「お姉ちゃん道明寺さんと喧嘩するたびに帰ってくるかもしれないもんねェ」
からかう様に言ってポクッと殴られる。
相変わらず手は早い。




次の日姉貴とおふくろは楽しそうに連れだって出かけてった。
女の買い物には付き合えないと僕は辞退を申し入れる。
土曜日にデートの相手もいないのかと余計なひと言。
「姉貴だって道明寺さんと知り合わなければ同じようなもんだろう」
「結構もてたわよ」
マジな顔で言われて驚いた。
「へぇ~それ、道明寺さん知ってんの?」
べロ出してそのまま姉貴はおふくろと出て行った。


自分の部屋でのんびりと過ごす。
一人の時間の使い方も最近慣れてきた。

「ピンポン~」のベルの音。
こんな時オヤジはテレビの前から離れない。
慌てて2階から降りてインターホンを確認する。

長身のスーツ姿の男。
セールスなら御断り。
インターホンの画像を見て固まった。
道明寺さん?
姉貴の話では帰国は明日って言ってなかったか?
焦らなくてもいいのに焦ってしまう。
あの道明寺さんの独特のオーラーの威圧感。
姉貴がいなけりゃ太刀打ちできそうもない。


「とうさん!道明寺さんだ!」
「えっ!」
慌ててリビングからオヤジがかけて来てインターホンの手前でドタッとこけた。

転がるように玄関まで男二人で行ってドアを開ける。
俺達の顔を見て道明寺さんの瞳に落胆の色が映る。

「つくしは来てませんか?」
ここでにこりと笑みを向けられた。
その笑みに無言の威圧感を感じるのは僕だけだろうか。

「来てるけど・・・ここにはいません!」
オヤジも僕と同じく緊張してるのか、日本語がおかしくなっている。

道明寺さんからしたら姉貴が道明寺さんに会うのを拒んで隠れてると思われかねない。
「今、母と買い物に・・・」
僕がフォローした言葉も道明寺さんの耳には届かなかったようで「つくしどこだッ!」と血相変えて家の中に飛び込む道明寺さんの背中をボォーと見送った。


その慌てふためく後ろ姿にはさっきの威圧感はなくなってご主人さまを求める飼い犬の様。
世界を牛耳る道明寺財閥の総帥のかけらも残ってない。
姉貴惚れられてるなぁ。
再確認させられた。


「兄さん!靴!」
「おう!スマン」
慌てて靴を脱いで玄関先に投げ捨てる道明寺さんに僕にも余裕もできてククッと笑いが漏れる。
オヤジの方はどうしたらいいか分からない感じでまだオドオドしてる。

姉貴がいないのを確認して道明寺さんが玄関先に戻ってきた。
「そんなに焦らなくても・・・」
投げ捨てた靴を玄関に並べながらニヤリ笑える心の余裕。
それも道明寺さんが姉貴に夢中だと分かるから。

「あ・・・焦ってなんかねぇぞ」
口ごもる感じに言って顔を赤らめている。

「つくしはママと買い物に行ってるよ」
そう言って緊張感がようやく溶けたようにオヤジが笑い声をあげた。


「兄さんが姉さんの事を愛してるのしっかり確認したから」
悪戯っぽく言った僕になにか言いたそうに唇を尖らせて道明寺さんが口をつぐむ。

姉貴をからかうよりおもしれぇーかも!
そんな思いが消えなくて、「グフフ」と笑いがこぼれて笑いが止まんなくなった。



コメントから思いついた抱きしめあえる夜だら 番外編。
つくし、司の二人様子をつくしの家族側から書いてみたらどうなるだろう?
それなら進が一番いい人選では?
そんな感じで里帰り編番外編を数話書いてみたいと思います。
賛同得られるといいのですが(^_^;)
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 *

「今日はいい天気だね司君」
見つめ合って数分。
最初に口を開いたのは父だった。

天気のことなんて道明寺さんにもこの場の雰囲気にも必要ないだろう!
オヤジ黙れ!そんな気持ちを視線で送る。
困惑気味の顔で道明寺さんが「はあ・・・」と答える。

「おねえちゃん遅いね」
これしか言えない僕もオヤジとたいして差がある訳ではない。
ねえちゃん早く戻って来てくれぇーーーー。


なにを話していいか分からぬ時だけが過ぎて行く。
さっきから5分も時計の針は進んでいない。

「あっ、お茶、コーヒー!」
おもむろに立ちあがって台所に逃げ込む。
「いや~ここはビールだろう」
オヤジが焦って僕の後ろについてくる。
「飲まなきゃやってられないよ」
オヤジがぼそっと本音を漏らした。

「道明寺さんなに飲みます?」
「何にも要らない・・・」
「いや喉は乾いてませんから」
言いなおしたのは僕にではなくオヤジへの遠慮?
なんとなく姉貴の親に対しての敬意が道明寺さんに見え隠れするのがうれしい。

そしてまた会話が途切れて男3人固まった。


しびれを切らしたように道明寺さんが携帯を取り出す。
そうだよ、最初から姉貴に携帯をかければよかったんだ。
それに誰も気がつかないなんて相当緊張してた証拠。
バカだよな。

「どこにいる」
ドスの利いた低い声。
思わず背筋をピッとオヤジと二人で伸ばす。
この威圧感は半端じゃない。
よく姉貴はこれに対抗できるよな。
一歩も引かない態度でにらみ合ってる時あるもんなぁ。

姉貴と道明寺さんの会話は続く。
聞き耳立てて張りついて緊迫色に空気が変わる。

「帰ってきた」

「だからッ、今お前の実家に居るんだ」

聞こえてくるのは道明寺さんの低い声。
携帯の向こうで姉貴は白眼向いてるんじゃないだろうか。

「切れた・・」
ブスっと言った道明寺さんがクスッと小さくその後笑った。
姉貴の声で少しは機嫌が直ったのか?
でもそんな感じ。
緊迫感が緩んで和んだやさしい目になっている。

「俺あいつが戻ってくるの待ってます」
椅子から立ち上がる道明寺さん。
お屋敷に帰って待つつもりなのかな?
姉貴はここに帰ってくると思われる。
どこに行くつもりだ?

たどり着いたのはリビングから丸見えの玄関。

壁にもたれかかりじっと玄関のドアを見つめてる。
次は5歩でリビングに行きつく廊下をウロウロ。

この状態・・・

姉貴が帰り着くまで続くのだろうか・・・
「そんなにすぐには帰れないと思うけど・・・」
かけようとした言葉を飲み込んだ。

姉貴を待つ兄貴。
待ちどうしそうにドアを通り越して外を見ている。
待ちわびて、姉貴の事ばかり考えてそれがやけに楽しそうに表情が変わる。
次はしびれ切らして怒の表情。
感情がすべて露わになって手にとるようだ。
姉貴のことだと感情を隠すことができなくなるのは昔から変わんない。
これがやりてで恐れられている道明寺の総帥なんて思えない。

その人をこんなにする姉貴はタダものじゃない。
すげ~よ。

バンと玄関のドアが開いて姉貴が転がる様に帰ってきた。

「遅かったな」
道明寺さんがぶっきらぼうに言ったその前に 満面の笑み浮かべたところ僕は見逃さなかった。

「これでも急いで帰って来たんだからッ」
「そんなに慌てなくてもよかったのに」
道明寺さんの行動と矛盾する言葉にゲラゲラ笑ってそれを隠すことなんて出来なくなっていた。
姉貴に言ったら道明寺さんどんな態度を僕に見せるのだろうか。
そしてまた僕は笑う。


進君観察日記第二弾いかがだったしょうか?
少しづつ核心部分お話は近づいていきます。
核心部分て・・・
どこ? キャハッ♪

 *

夕食時食卓にのぼる豪華料理。
わが家にしたらの話だけど。
夕食3日分の料理が並ぶ。

今度いつあるか分からない姉夫妻のご帰還。

レアなのは道明寺さんが姉貴の傍でやたら頬を緩めていると言う事。
お口あ~んなんて姉貴がやったら喜んで口を開けそうな経済会トップなんて普通いないよな。
姉貴がそんな態度するとは思わないけど見てみたい気が半分。
恐いもの見たさという奴か。
ボ~ッと見ててご飯を食べるの忘れてた。

オヤジはなんとか道明寺さんに慣れたみたいでビールを注がれて喜んでいる。
嫁さんの実家で過ごすってどんな感じなのだろう。
道明寺さんのツンデレ状態は僕の後学のためとはならなそうだ。

姉貴とおふくろは食事のあとかたずけ。
食器を運ぶのを僕も手伝う。
テレビの前のソファーでくつろぐ道明寺さんとオヤジの間に割って座った。


「司君、先に風呂にでも入ってくれ」
オヤジの声にすぐに反応して姉貴が動く。
リビングを出て戻ってきた姉貴の手には真新しい着替え一式。
おふくろと話していても道明寺さんの様子を気にしている瞬時の反応。
姉貴も結構かわいいところあるんだと気がついた。

「道明寺、これ着替え」
「行くぞ」
手渡そうとする姉貴の手元はスルーして道明寺さんのが姉貴の肩を抱き寄せる。

その仕草が大胆でドキッとする僕はまだ免疫ができていない。
「一緒に入ってきます」
道明寺さんの声に「わ~あ~っ」大胆と思いつつ目にはいった姉貴の顔は引きつっている。

ここで僕が照れたら姉貴のことだ道明寺さんから逃げ出しそうだ。
ここはひとつ僕が味方になる!
変な連帯感が生まれてた。

「行ってらっしゃい」
明るく声をかけて見送った。
俺って結構いい弟だ。

聞こえてくるのは・・・
「どこ触ってるの!」
「ヤダ!もう!」
「逃げんな」
拒否する言葉も楽しそうでいたたまれないようにオヤジは台所のテーブルに席を移した。

道明寺さん・・・
姉貴のどこ触ってるんだか・・・
想像してポッとなった。
姉貴と風呂入ったのって小学校の頃が最後だもんなぁ。

子供の頃とは見るところもすることも感じることも違う男女の仲。

あの大人一人が入ったらいっぱいいぱいの湯船をどう使うのか。
膝抱えて二人向かい合っている?
道明寺さんの上に姉貴が乗っかって・・・
姉貴の裸体なんて想像するつもりもないが考えてしまうのは健全な証。
興味がないと言ったらウソになる。
彼女と一緒のフロなんて結構そそるもんなぁ。
親がいるところでなんて僕には出来そうもないけれど。

気にならないようにチャンネル変えてテレビのボリュームを上げる。
ほどほどでお願いします。
どこまではほどほどか分からないままに祈っていた。

 *

「NYってどんなところですか?」
「僕、海外って行ったことなくって・・・」
先に風呂場から出てきた道明寺さんにどうでもいい事を聞いている僕。

「お風呂どうでした?」
なんて普通の質問することができずに引っ込めたのは姉貴と道明寺さんの邪な妄想が浮かんだせい。
「狭くて窮屈だ」
そんな返事をされただけで赤面してしまいそうでたまらない。

二人の入浴していた時間は短くて、たいしたことはしてなさそうなんだけど・・・
それでも、やっぱり気になる健全なる男子。

饒舌になって道明寺さんと会話が途切れないように喋っている僕は完全にいつもの僕を見失ってる。
しばらくして姉貴も風呂場から戻ってきた。
バスタオルで頭を覆う様にして激しく髪の毛を拭いている。
表情はタオルで隠れて見えない姉貴だが照れを隠してる感じは歪めない。

おふくろと一言二言やりとりした後、姉貴視線が道明寺さんに移る。
耳まで真っ赤なのはお風呂のせいなのか・・・
おふくろとのやりとりか・・・
どちらにしても道明寺さんが絡んでいることは間違いない。

「あー俺、眠い!」
「時差があるからなぁ~」
姉貴に見つめられてすぐに道明寺さんがあくびをする。
そこまで眠そうには見えないが必死に演技する道明寺さんはほほえましい。
姉貴と二人っきりになりたいのが見え見えでしょうがない。
道明寺さんて・・・
こんなに分かりやすい人だったっけ?

「あっ、そうだね、NYから帰って来たばかりだものね」
笑いをこらえて手助けする。

進!脅す様な目でにらむ姉貴も恐くなんかあるもんか。
気がつかないふりで「気の効かないお姉さんですいません」と姉貴にベタ惚れの義兄貴の味方をする。

男は男同士だ!

目に見えない連帯感て自然に生まれるものなんだ。
この充実感は姉貴をやり込められる達成感。
姉貴が嫌がってても本気じゃないのが解かるから強気で義兄貴に味方できる心地よさ。

いいもんだ。

「それじゃ、お先に失礼します」
僕の言葉に後押しされた様に道明寺さんが立ち上がる。

姉貴の腕をつかんで引き寄せた。
逃げないように片腕は姉貴の首に巻きつける用意周到さ。
姉貴が照れて突っぱねるのは了承済みの構えを見せている。
慣れてるんだと関心する僕は姉貴には未だにかなわない。


「まだ、髪が乾いてない」
「そんなのどうとでもなる」
どうとでもさせてやった方がいいぞ姉貴!
心の中で声援を送る。
僕は見ないふりしててあげるから。



「ほら、部屋まで案内しろ」
喜々とした表情の道明寺さんと対照的な困惑気味な姉貴の顔。


僕・・・
今日は居間で寝ようかな・・・
悶々として眠れなくなったら困る。
本気でそう思えてきた。
 *

「・・・えっ!なに?」
「まだ寝ないのかなと思って・・・」
ボッとしていた僕に声をかけたおやじと気まずい雰囲気。
この空気はなんなんだ。
重たい空気が流れてる。

「さあ、寝るわよ」
「あなたたちも早く寝なさい」
一人だけ明るい声でおふくろが居間を出て行った。
上の二人が気になるのは男二人だけらしい。

何気なく視線を天井に向けた。
「ドン!バタン!」
響き渡る上からの音。
「なに?」
「なんだ?」
オヤジと顔を見合わせる。
「プロレスでも始めたかな」
笑うに笑えなくて「ハ・・ハ・・・ハ」って声だけ作るおやじ。

プロレスでも柔道でも思い浮かぶのは抑え込み。
いよいよ姉貴を押し倒して・・・
わぁ~っ
独り者には刺激が強くないかぁぁぁぁぁ。

「見るなッ」
僕の両目を手のひらで塞ぐ父。
見える訳ないだろうとその手を振りほどく。

シーンと静まり返った天井を眺めて「収まったね」とつぶやいた。
「疲れたから寝る」
そう言って部屋を出て行くオヤジの背中は心なしか肩が落ち込んでいる。

一人になった空間で気になるのはさっきの音。
下にいてもニ階の隣の部屋にいても気になるのは同じだと悟らされた。

「よしっ」
覚悟を決めて右手で拳を作り気合を入れる。
ゆっくりとそ~っと階段を上る。
息を殺してって・・・
自分の存在を消そうと必死なるなんてこれまで経験ないぞ。
泥棒?
今の状況じゃ痴漢か覗き魔?
打ち消す様にわざと足音を立てて自分の部屋へと逃げ込んだ。

すぐにベットに入って布団を頭からかぶる。

「ブハハハハハ」
道明寺さんの笑い声
僕の考えてる様なこととは遠い響き。
ホッとして残念がる僕の本音。
何の音も漏らさないと耳だけに神経が集中してる。

・・・

・・・・

・・・・・・?

その後は静かになった。
やけに静かでなにも聞こえない。
それはそれで気になるってどうなんだ?
オヤジじゃないが結構疲れる。

まあ・・・
幸せそうで仲が良くて何よりだ。
一緒に寝てるんだろうなぁ。
それがあたり前だろうけど。

あーーーッ!
僕も早く彼女欲しいーーーーッ。

朝まで枕を抱きしめて眠ってた。


進君・・・
つくしとの年齢差を考えたら20歳の大学生くらいですよね(ドラマ版)
高校生程度の感覚の様な感じで書いてしまいました。
まあ・・・いいか(^_^;)
早く可愛い彼女が見つかることを祈っていよう


拍手コメント返礼
nanako様
進くんの妄想モードはきっとエロモードですよね。
がんばれ青少年!
何だかパパが一番可哀想だったりして(^_^;)
可愛い娘は嫁にやりたくなかったと玉の輿でも後悔中なのかな?
原作の両親は喜んでいるでしょうけどね(^_^;)
 *

翌朝6時。
なぜか早めに目が覚めた。
眠れた様な眠れなかった様な感覚。
まぶたの重さはやっぱり寝不足を示してる。

洗面所でバシャバシャと眠気を吹き飛ばす様に顔を洗う。

「おはよう」
リビングに顔を出すとすっかり身支度を整えた姉貴の機嫌のいい笑顔がそこにあった。
「お・・・おはよう」
なぜか照れてしまう俺って・・・
やっぱり昨日の妄想を引きずてしまってる。
姉貴の機嫌がいいの義兄貴のせいか?
あーーーーーーッ!
また妄想が独り歩きしてしまいそうだ。
冷蔵庫からお茶をとりだしてごくっと一気に飲んで身体を冷やす。
それと一緒に頭も冷やした。


オヤジは居間で新聞を読んでいる。
おふくろと並んで台所に立つ姉貴。
その姿をボッとテーブルに座って眺める。

この二日間おふくろがうれしそうで楽しそうなのは姉貴の影響。
僕もこうして姉貴とすごせたのはうれしいんだ。
僕には兄貴が出来てオヤジとおふくろにもう一人息子ができた。

とてつもない兄貴と息子だけどね。
世界に君臨する企業のトップ。
その兄貴が姉貴の前ではデレーッとなるのがうれしいんだ。
今だに信じられないけど。


ドタドタと響く階段の音。
焦って現れた道明寺さんが姉貴の「おはよう」の声に表情がゆるむ。
ほら、デレーッとなった。

僕の表情も緩む。


「トントン」と響く小気味よいマナ板の音。
何の音か分からず辺りを見渡す道明寺さんがおもしろい。
世間一般の日常も道明寺さんには初めての体験だろう。
どんな気分なんだろう。
以前うちに来た時は俺んちのトイレより狭いとか、靴はいたまま畳の上に上がったもんな。

「マナ板の音だよ」
僕の声にようやく納得して台所の方に視線を向けた。

テーブルの上に並べられたご飯に味噌汁、卵焼きにきんぴら納豆。
いつもより豪華な朝ごはん。
ただ一人の反応が心配で箸もつけずにじっと待つ。
「うまい」
その一言で場がなごんで笑いが起きた。
一番うれしそうな表情を見せたのは姉貴。

道明寺さんが僕ら家族になじんでくれたのがうれしかったのだろう。
「姉貴良かったね」
心の中でつぶやいた。


帰り際。
家の前に横付けされた黒塗りの車が二台。
後方の車からは数名のダークスーツと大男。
何事かと隣人はカーテンの隙間から覗いてる。
数軒先は道路の出て来て野次馬状態。
目立っているわが家。
その中で人目もはばからず抱き合う姉貴とおふくろ。
横でオヤジは涙目って・・・。
姉貴が強制的に拉致されるみたいじゃないか。
誤解されるぞ!
近所のいい訳考えておかなくっちゃとフッーとため息。

車に乗り込んだ姉貴夫妻は見えなくまで手を振っていた。

必ず帰ってきてと祈りを込めて僕は見送った。
あっ!出戻りはダメだけどね。

 *

姉貴夫婦を乗せた車が見えなくなってもボーッしたまんまの僕ら家族は放心状態。

「夢みたいな二日間だったね」と僕が言えば「最後の夜はしんどかった」とおやじがつぶやく。

「楽しかったね。また帰ってこないかなぁ」
一人ルンルン気分なおふくろ。
そこに好奇心を貼り付けた顔で隣のおばさんがやって来た。

「娘夫婦が来てたの」
聞かれる前にしゃべりだす母。
相当うれしかったんだとわかる母のしゃべり方。
あんまりしゃべんないほうがいいんじゃないのとおやじと顔を見合わせる。

「へぇ~あれが話に聞いていた娘さん」
「どっかで見た顔だと思ったのよ」
おばさんの声も高音にに響きだす。

道明寺さんほどではないが『牧野つくし』の名前は全国区。
その両親がここに住んでることは母と仲の良い隣のおばさんぐらいにしか話していないはずだ。

高級外車数台が道中を占領しカリスマオーラ全開の道明寺さんが人目を引かないはずはない。
しばらくは我が家は噂のネタになりそうだ。

そのそばから聞こえてくる話声。
「道明寺・・・」
「うそ!」
「ヤダ!生見た!キャー」
・・・て黄色い声。
「もう少し若かったら」
言ったのはどう見てもおふくろと変わらぬ年齢層のおばさん。
若いからってどうなるものでもないと思うんだけど・・・

落ち着いたら「どうしてこんなところに?」と冷静な判断が飛び交ってきた。

「奥さんの実家が・・・」
「牧野・・・」
「うそ!」
「ヤダ!キャー!」
さっきと同じ言葉が飛び交った。
言葉に込める色合いは黄色から色を変えているけど。

これから僕らは静かに暮らせるのだろうか・・・。
姉貴よりはましだと思うけど・・・。


「今度サインもらって」
あ~あしょうもないこと頼まれてるよ。
「いや、無理です」
必死に断るおやじ。
結局色紙を受け取った。

アイドルじゃないぞ日本有数の経済人。
サインさせる気かバカ親父!?
おやじの頼みじゃ道明寺さんも無下にできないだろうけど。


今度帰ってくるときは目立たぬように帰ってきてーーー!
切にそう願う僕だった。


 *

坊ちゃん・・・
いや道明寺ホールディングス若き代表のNY出張。
これをどう伝えるべきか。
普通にすんなり納得していただけるといいのだが・・・

御結婚後初めての長距離出張。
いい顔をされるはずがない。

行きたくないを筆頭に最後はお前が何とかしろまでの言葉のやりとりが順序正しく私の頭の中に並ぶ。
ここまでで3分か・・・

「ここで頑張りになればまとめてとれる休みも予定できるかと・・・」
最後のここまでもって行ければうまく行くと私の頭脳がはじき出す。

姿勢を正し代表の前に進み出た。
「来週からNYへの出張が予定されてます」
「何日だ」
すぐに不機嫌な表情で返された。

「・・・1か月・・・とは、申しません。1週間の予定です。」
1か月の予定を1週間に圧縮させましたと目で語る。
このくらいは言葉にしなくても司様には伝わるはずだ。


「行きたくねぇなぁ」
最初の一言が始まった。
「今回ばかりはどうしても代表出ていただかねば仕事が進みません」
「お袋は?」
「代表の出席が必要で名代は認められません」
「つくし様と離れたくないとの理由をおあげにはなりませんよね」
坊ちゃんが駄々をこねる最大の理由にここでくさびを打っておく。

「そんな理由あるわけねえだろう」
図星をさされて顔をそむける態度は昔の小さい時のまま。

「それを聞いて安心しました」
素知らぬふりで頭を下げた。


「お前が何とかしろ!」
「何とかしろとは?」
「一週間より短くなんねぇか?」
「ここまでの日数にするのに私が努力してないとは思ってらっしゃいませんよね」
「あとは代表の頑張り次第だと・・・」
ここまで来れば半分は出張をしぶしぶ受け入れられているはずだ。
ただゴネたいだけなのだから。

「わかった・・・」
煙たそうに手のひらを振って出ていけの合図を送られる。

以前よりは聞きわけがよくなられたか・・・。
予想より順調な仕上がり。
切り札を出さずに納得いただけたことに満足する。
これは別なところにとっておこう。

最後に仕上げに・・・
アメ玉を与える。

「出張までの3日間は定時の帰宅ができるようにスケジュールを組みなおしておきました」
「おっ!?」
明るい良い返事が返ってきた。
きっとつくし様との妄想的イメージににんまりとしたお顔が頭に浮かぶ。
これで出張の出発まではもつはずだ。


なんと司様が扱いやすくなったことか。
つくし様との時間をうまく調整して差し上げれば機嫌が直るのだから。

つくし様に出合われるまでの昔は悪夢の様。
荒れるたびに警警視総監、大臣までどれだけ走り回ったことか・・・
昨日のように思い出される。


司さまがつくし様とご結婚された恩恵を一番受けているのは私かも知れない。
フッっと緩みそうになる頬に力を入れた。


rui様RICO様のコメントに後押しされて書いてみました。
第一弾どうでしょうか?
続きが書けるかどうかは皆さまの拍手で決まるかな?

拍手御礼
RICO様

流石、敏腕秘書!ということでこんな感じに仕上がってます。
>つくしに前もって出張日分の手紙を書いて貰う。
いい餌・・いえ・・アメになりそう♪
いつかネタにつかわせてもらいます。

 *

腕時計で時間を確かめる。
残りは5分。
さっきから繰り返される永遠の別れのお二人。
どちらかといえば坊ちゃんが別れがたいような感じなのだが・・・。

「さびしくないか?」
「俺がいなくて大丈夫か?」
「仕事いけるか?」
「寝れるか?」
「食事できるか?」
「なにかあったらすぐに帰ってくるから!」

坊ちゃん、私にはつくし様よりあなたのほうが心配です。

「浮気すんじゃねぇーぞ」
私のことなど眼中にないようにつくし様を抱きしめてようやく一息つかれる。
私も見ないフリに馴らされてしまってる。
ほほえましくはあるのだが、屋敷と車の中と空港についてから、そして・・・
一連の流れはこれで4度目。
坊ちゃんの代わりができそうなくらい頭に入ってしまってる。
それは坊ちゃんが譲るはずはないでしょうが。

浮気の心配をする必要はまったくないと断言できる相思相愛のお二人。
「そんな心配いりません」と断言して時間がございませんと搭乗口に行くように進めた。

30秒の時間のロス。
テロップを1段上がるたびに振りかえってつくし様の姿を確かめる。
全く往生際の悪いお方だ。


通路を挟んだ坊ちゃんの隣の席に私も腰を下ろした。
飛び立つ飛行機の中でようやく一息つく。

「西田・・・」
「なんでしょう?」
「俺の目が届かない間つくしにSP張りつかせた」
これで安心だろうと坊ちゃんがほほ笑む。
つくし様には逆効果だと・・・
思いは呑み込んで「そうですか」とだけ答える。

SPに囲まれて困惑されるつくし様の姿が目に浮かぶ。
「なんでSPつけるのよ」なんてすぐに携帯から声が聞こえてきそうだ。
飛行機の中では携帯がかかる心配はないのが唯一の救い。
NYにつくまではSPをつけて安心だと満足している坊ちゃんの機嫌を損ねることはあるまい。

そのあとをどう取り繕って坊ちゃんのやる気を仕事に向けさせるかが私の仕事。
嫉妬もエネルギーに代わるもの。
早く日本に帰りたいという気持ちに少しのエッセンスを加えてやればいい。

SPをつけて、つくし様の行動を随時報告させるであろうことまでは私の想定範囲だ。
仕事面ではいろんな策をめぐらす策略家も、こと恋愛に関しては(つくし様専用の注意書きは必要だが)率直すぎるほど率直で、相変わらずの坊ちゃんの素直な行動は私を安心させる。


「つくし様をよろしくお願いします」
坊ちゃんのお仲間の方々に昨日内緒でご連絡をさしあげた。
あの3人の方はつくし様をお気に入りですからすぐにでも動いてくれることでしょう。

道明寺の家を離れて以前の生活を楽しむこともつくし様には必要だと思いますから。

さて・・・
この報告を受けた坊ちゃんは・・・

「帰る・・・」
「帰るって言ってるんだ!すぐに手配しろ!」
不機嫌の要素を前面にだしてわがままを展開されることだろう。

それを楽しんでる私もなかなかなものだ。
さてこれで1日程度は仕事が短縮されるかどうか・・・
すべては代表!
あなたにかかっております。


拍手コメント返礼
michi-io様

お久しぶりです♪
> 西田さん目線大好きです♪♪
そう言ってもらえると喜んで書きたくなってしまいます。
まだまだ書けそうねネタが転がってるのお付き合いを~
体調崩ずさないようにぼちぼちと頑張らせていただきます。
ありがとうございます。
 *

昼間は会社で愚痴の一つもこぼさずに仕事をこなす。
夜は連夜のレセプション。
NY支社の二日目も順調に経過している。
こちらは夫婦同伴は当たり前。
今日の坊ちゃんがエスコートするのは会長。

「何んでお袋なんだ」
不満を口にする坊ちゃん。
「金髪の美女がお好みで?」
「そんなのいらねぇッ」
つくしが誤解するだろうと付け加えてそっぽを向かれた。

会場での坊ちゃんはひと際存在感のオーラを輝かす。
会長もそんな坊ちゃんに満足そうだ。

「奥さまは?」と聞かれて顔を曇らす坊ちゃん。
さびししそうなお姿は涙を誘う。
とはいっても私がここで涙を流すような失態はしませんが。

あっ・・・
笑みがこぼれてごまかすようにシャンパンを一気飲み。
きっとつくし様を思い出して笑われたのだろう。
仕事では見られない優しいお顔になった。

頭に浮かべるだけでこれならば・・・
隣につくし様がいられたらどれだけニヤケ切った表情になることか。
自分の妻と紹介するだけで舞いあがって道明寺総帥の立場も忘れられそうだ。

あの顔を政財界が集まるところでされて甘く見られては仕事に支障が出て困る。
それよりもつくし様が道明寺財閥のアキレスだとばれるのは時期尚早。
つくし様にその自覚ができるまでまだ少し時間が必要と私は思っている。
坊ちゃんにお顔が緩まないように日本で慣れさせる必要があるとメモにとどめておかなくては。

騒がしい会場を抜け出るように坊ちゃんが庭先へと移動された。
ついていこうとするSPを止めて、気がつかれないように私が護衛する。
私では坊ちゃんの護衛どころか足手まといになる割合の方が高いのだが、警備の厳重な会場では大した心配ではない。

月明かりに照らされて浮かぶ坊ちゃんの右手には携帯電話。
つくし様が出られたのが誰にでもわかるようなパッと坊ちゃんの表情が明るくなる。

次に携帯を耳から10センチ離すように腕をのばされ耳をふさがれた。

つくし様がSPをつけられたことに対する苦情を言い放っているに違いない。
これで坊ちゃんの不機嫌は20%は私にくると一つため息。

「お前になにかあっても今は俺は守れない」
「俺の代わりはSP4人でもたらねーぞ」
聞こえてくる坊ちゃんの声。
盗み聞きしてるわけではありません。
坊ちゃんの声がことのほか大きいだけです。

坊ちゃんの代わりをするためにはSPは10人は必要でしょう。
坊ちゃんを無理やり連れて行くのにはそれぐらい手がかかりましたから。
浮かぶのは10代の頃の凶暴な坊ちゃんのお姿。
今ではつくし様のことをちらつかせるだけでおとなしくなられる。
人件費と治療費がどれだけ節約できたことかわからない。


「お前は他人をすぐ信用するし、緊張感ねぇーし、警戒心も持ってない」
「知り合いが来たらさっさと喜んでついて行くだろうがぁ」
嫉妬にゆがむ坊ちゃんの顔。

坊ちゃんの留守につくし様があの3人方と過ごしたと報告を受けたら坊ちゃんはどうなるのだろう。
「すぐに帰る!」と声を荒げる坊ちゃんが浮かぶ。
仕事の能率を上げるように坊ちゃんを説得する自信がなければ私が裏から手を回すことなどできないことだ。

「・・・なあ・・・」
「俺がいなくて淋しいって言えよ」
「会いたいでも愛してるでもいいけど・・・」
坊ちゃんの声のトーンの音色が代わる。
さすがにここからは聞くのは忍びなく、そっと背を向けその場を離れた。

愛してるでも・・・
さびしいでも・・・
会いたいでも・・・
坊ちゃんが満足する返事をつくし様お願いいたします。
それで私に対する不機嫌さは10%は削減できることでしょうから。


西田さん第3段。
順調に書き上がっています。
どのくらい書けるのかしら(^_^;)
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