fc2ブログ

入れ替わり大事件! パート1

 *
第1話 入れ替わり大事件!    作 マユさん

それはある夏の日のことだった。
ユーリとカイルは追っ手達から逃げていた。
逃げていたと言ってもユーリは3姉妹、カイルはイルから逃げていたのだが…

ユーリはカイルと結婚して可愛らしい男の子が2人生まれた。
幸せなユーリだったが、何年ヒッタイトで暮しても慣れないものは…
「ユーリ様!どこにいらっしゃいますの!早くお湯浴みを!」
後宮にハディの声が響き渡る。
ユーリは柱の影から影を伝わりながら3姉妹から逃げ回っていた。
「冗談じゃないわよ!何が『今日こそは頭から爪の先まで磨きこんで差し上げます』なのよ!私は一人でのんびりお風呂に入りたいのに!」
ユーリはプクーッと膨れていたが、あの3姉妹がこんなことでやめるはずがない。

「仕方がない…3姉妹の熱が静まるまでカイルの部屋に行こう…っと、デイルとピアも連れてかないと…あの子達…まだ小さいからお菓子で丸めこまれるからね」
こうしてユーリは子供達を連れてカイルの部屋に避難(笑)することになった。

カイルは皇帝に即位してユーリを正妃にし我が子2人に恵まれていた。
とっても幸せなカイルだが今は別だった。
「陛下!どこにいらっしゃるのですか!さっさと書簡に裁可の印をください!」
執務室からイルの声が聞える。カイルは柱の影に隠れながら執務室から遠ざかっていた。
「イルの奴…私は人なんだぞ…丸一日以上ずっと執務室に缶詰にしやがって…」
カイルはのろのろと立ち上がり頭をかかえた。
「ダメだ…少しは眠らないと倒れてしまう。
そうだユーリの部屋で休もう
…ああ…久しぶりにユーリやデイル・ピアと会いたい…
どうして妻と息子達と一日以上も会わせてくれないのだ…」
カイルはよろよろしながら後宮はユーリの部屋に向かう

「ねぇ母様!今日は父様に会えるの?」
デイルが嬉しそうにユーリに聞く。
ユーリは右手に5歳のデイルの手、左手に3歳のピアの手を引いて歩いていた。
3姉妹のしうち(?)にイライラしていたユーリも可愛い我が子の笑顔を見てるとついつい顔がゆるむ。
「そうねぇ~父様も今日でお仕事 落ち着くみたいだから会えるわよ 久しぶりに父様にお風呂に入れてもらう?母様が頼んであげる だから3姉妹のオバチャンと会っても母様が父様の部屋に居るって言っちゃダメよ」
「うん!僕達、絶対言わないよ!だから父様とお風呂はいりたい!ねっピア」
兄の言葉にピアもコクンと嬉しそうに頷く。
「じゃ早く父様のお部屋行こう」
ユーリはうまいこと子供達を丸めこんだと心の底で笑っていた。
夫・カイルの疲れも気にしてないとんでもない裏取引だ。

「はあ…疲れた…早くユーリや子供達と会いたい…」
カイルはそうぼやきながらも脚はしっかり後宮に向かっていた。
「イルめ…体調が回復したらまた政務を押し付けて苛めてやる!」
カイルは王宮から後宮への渡り廊下を歩いていた。
まる一日、太陽の光を浴びてなかった為にまぶしくて目が痛い。
「うう…目が痛い…早くユーリの所で休ませてもらおう…」
そしてまたカイルが歩き始めたその時!

ゴンッッ!!バタッッ!!

そう…太陽で目がくらんで周りが見えてなかったカイルと息子に気を取られよそ見して歩いていたユーリがぶつかって倒れたのである。
2人の息子達は倒れた両親を見て慌てて声をかける。
「父様!父様!!」
「母しゃま~起きて~」
先に目が開いたのはカイルの方だった。
「…っつ…なんだ一体どうなったんだ?」
カイルはすぐに気を取り戻して立ち上がった
下を見れば息子のピアが心配そうに顔をのぞいている。
(はて?ピアが二日前よりもやたら大きく見える?どうしてだ?)
「大丈夫…母しゃまぁ」
「母様!?」
カイルは慌てて身体を見る。
滑らかでシミひとつない美しい手足…
柔らかい象牙色の肌…
そしてコシのある艶やかな黒髪…
間違えるわけがない‥これはユーリの身体だ。
「そんな…どうして…」
悩むカイルの前に「う‥んっ‥」という男の声がした。
目の前に映った男は紛れもなく自分‥ヒッタイト皇帝・カイル・ムルシリである。
しかし自分の意識はここにある…
ということは自分の中にいるのは…

「いったぁ~もう…誰なのよ急に…」
「あっ!気が付いたの父様!」
デイルがカイルに飛びつく。
父親の意識が戻って嬉しそうだ。
「父様?デイル何言ってるのよ」
(へんねぇ…さっきよりもデイルが小さく見える。ぶつかったせいで目がおかしいのかしら?)
「ユーリ…大丈夫か?」
(えっ…この声は…耳までおかしいのかしら)
何故だか分からないが自分の声がする方に顔を向ける。
「えっ!!私が二人いる!!!」
「やっぱりな…ユーリ…自分の身体を見てみなさい」
言われたとおりユーリは自分の身体をじっと見る。
ジャラジャラつけたアクセサリー…
逞しい腕…
そして金色の髪…
「………………カイルの身体……………」
男になったユーリは女になったカイルをじっと見つめた。
「ユーリ…どうやら私達はさっきぶつかった瞬間に心と身体が入れ替わってしまったらしい」
シーンとした両親…その2人を息子2人は不思議そうに見ていた。





第2話 気がついて~            作 あかねさん

「ちょっと、待ってよ。入れ替わったって事は、あたしがカイルでカイルがあたし?」
「それって・・・つまり、あたしが皇帝でカイルが・・・・。」
「ユーリ、そのすがたで”あたし”はやめてくれるか?」
ユーリは完全にパニックに陥っていた。
入れ替わったっていうことは、つまりユーリは皇帝なわけで・・・・・。
「陛下!探しましたよ。さぁ、今日という今日は政務をしっかりとやっていただきます!」
「まぁ、ユーリ様。お探ししましたのよ!!さぁ、こちらです!!デイル様達も。」
事情を知らない側近達は、そのままに連れて行く。
ユーリは政務室へ、カイルは湯殿へ・・・・・。
事情を知っている(見てた?)子供達は、まったくわかっていない。
「母様、お風呂はいるの?」
などと、のんきにいっている。カイルもカイルだ。
「あ・・・えぇ、そうね。お風呂行きましょうね~。じゃぁ、ユー・・・カイル。
 政務頑張ってね~~!!」
元々政務から逃げていたカイル。これよしとばかりに逃げた。
取り残されたのは、ユーリだ。
「さぁ、陛下。まいりますよ!!」

「陛下、そこではなくて、こちらで・・・あぁ、それも!!」
政務室は、今やパニック状態だった。
政務なんて、簡単なもの(しかも、カイルがほとんどやってくれる)しかやったことのないユーリが、皇帝用の政務をやっているのだから当然だ。
「陛下、きょうはどうなされたのですか?具合でも悪いとか・・・・・。」
「!!そう!具合が悪い!!じゃぁ、イル・バーニがんばってね。
 あた・・・・私は、えっと、そう!自分・・・ユーリの部屋にいるから!」
そそくさと、部屋を出ていくユーリ。
そのころちょうど、カイルはユーリの部屋にいた。
子供達は昼寝の時間だ。部屋には一人・・・・・。
そんなとき、
「カイル、ここにいたんだね。」
見慣れた自分の姿。ユーリだ。
「あぁ。ユーリ、これからどうするかな?かなり不便だな。まぁ、私はかまわないけ  ど。」
「そりゃぁ、カイルはいいよね。あたしなんて、政務政務・・・っていうか、慣れてな い仕事をするのよ!?いっそ今日から、病気ってことにしようかしら。」
カイルとユーリは、悩んだ。
「良い案がないわ!!とにかく、しばらくはこの姿よね・・・・・。」
「そうだな。それはしょうがない。ユーリ、頑張ってくれ。」
ふぅ・・・。深いため息を付く皇帝陛下。
その姿を、扉の向こうから見ているイル・バーニ。
「なんだ、陛下達は。あのお言葉使いは、まるで・・・・・・・。」
早く、気が付いてやれよ。

第3話  カイル様がご懐妊               作 マユさん

身体と心が入れ替わってしまったカイル・ユーリ夫妻。
仕方がなしに側近達に事情を話し政務はすべてイルが取り仕切り、2人は急病ということにして後宮に引きこもっていた。
これで一息つけると思ったのだが後宮には意外な敵(?)がいたのだ。

「デイル!ちゃんと座りなさい!」
カイルになったユーリが食事中のデイルを座らせる。
「ほらピア!口をあけて」
ユーリになったカイルが好き嫌いを始めたピアを膝に乗せスプーンをピアの口に運ぶ。
両親が入れ替わったなんて側近には分かっても、小さな子供達に分かるわけもない。
だから互いが互いのふりをすることになったのだが…
お互いに互いがやっている子供の世話がうまく出来ず食事は大波乱になってしまった。
食事を終えたデイルとピアはお昼寝。
デイルはカイルになったユーリの膝の上で、ピアはユーリになったカイルの腕の中ですやすやと眠っている。

「おまえになるのも大変だ。好き嫌いの激しいピアに食事させるなど…」
妙に男言葉な自分がおかしくてユーリはクスッと笑う。
「カイルこそ大変ね~食事中でもちっとも大人しくしてないデイルを座らせて食事させるなんて…
父様事業も大変だわ!」
女言葉な自分の姿に笑いがこぼれてくる。
「あのさ…カイル…聞きたいことがあるんだけど…」
「なんだ?」
ユーリになったカイルは不思議そうに聞く。
カイルになったユーリは顔が真っ赤だ
(恥らうカイルの姿を想像してもらおう)
「あの…その…だからね…あたし‥そろそろ‥」
もじもじと言葉をつづるユーリ。
これがカイルの姿だけにすごい違和感がある。
「ユーリ様!じゃなかった…陛下ーーー!!」
ハディの声が聞えてきた。
カイルはすっと立ち上がるときれいなソプラノの声でハディに答える。
「私はここだぞハディ!」
「ああここにおられたんですの…お時間ですのでこちらへ」
「こちらへって…どちらへだ?」
ユーリがこの時間帯に何しているのか知らないカイルは不思議そうに答える。
「御子様方のご入浴のお時間です。いつもユーリ様が一緒に居られないと御子様方は語不安になられますので陛下お願い致します」
「何!?私が子供達を風呂に入れるのか!?」
「??どうかされました?週に一度はお子様方と一緒にご入浴されてるじゃないですか???」
「いや…だが…身体はユーリのものだし……」
カイルがぶつぶつ言っていると、誰かが服を引っ張った。
「父様一緒にお風呂はいろ!」
「はいろ~はいろ~」
子供達はあれよあれよという間にカイルを引っ張っていってしまった。
残されたのはカイルになったユーリだけ…

(あ~あ…カイル大丈夫かなぁ?あの子達カイルとお風呂入る時はすごい甘えるのよね~カイルは甘いからなぁ~でも姿はあたしだからそうでもないか。
けど困ったな~聞こうと思ったのに…こんなに遅れて急にきたらカイル驚くだろうし…)

一方こちらはお風呂。
「こら!デイル、ピア!暴れるな…じゃない…暴れるんじゃありません!!」
カイルは2人の子供達の入浴にクタクタである。
髪を洗って湯船に入れて…おまけに衣類の用意までさせられる。
「あいつ…こんなこと毎日やっていたのか…」
(それにしてもあつい…)
カイルはモウモウと湿気が篭る湯殿の中でのぼせそうだった。
(うっ…まずい…はきそうだ…そういえばユーリと入れ替わってからずっと吐き気がするし、身体は重いし…)
その中でカイルの意識は薄れていく。

「………ま!…あ…さ…ま…母様!!」
カイルは目を覚ました…目の前には自分の姿をしたユーリ。
我が子デイル・ピア…側近達…そして見慣れた侍医が立っていた。
「私は一体…」
「お湯殿で気を失われたんですよ」
キックリが心配そうに言う…ユーリの中に入っているのは我が国の皇帝陛下。
その陛下が倒れるなんてよっぽどユーリ様は弱っているのだろうか?
誰もがそう思っていた時…侍医が「よいですかな?」と声をかけて来た。
「侍医‥殿‥私はどうして倒れたんだ…いえ…ですの?」
何とも使いにくい女言葉を必死につづるカイル。
侍医はにこにこすると伝える。ベットに横たわるカイルの手を取り、皇帝になったユーリの方を見て侍医は病名を言う。
「皇帝陛下、皇妃様!おめでとうございます、もう五ヶ月目ですよ。第3子ご懐妊でございます!今度は皇女様かもしれませんよ」
「ええ~~~~~~~~~~~~~~」
部屋にデイル、ピア、侍医を除いた者達すべての声が上がった。

第4話 本気を出さなきゃ!!           作  あかねさん

ハディは、キックリから伝言を聞きカイルの部屋へと走っていた。
リュイとシャラは、政務室のイル・バーニのへやへ・・・。
「ユーリ様!大変でございます!!陛下が、ご懐妊です!!」
「えぇ!!??カイルが懐妊!!??そんなばかな!」
「・・・いえ、陛下自身ではなく・・・その・・・・つまりは、ユーリ様なわけです  が・・・。」
ハディも、一応は事情を知ってはいるが、混乱している。
カイルが懐妊したのではないことは確かだ。身体はユーリなのだから。
「あたし!?あぁ、つまりは意識が入れ替わるまえに懐妊してたのね!!??
 ハディ、あたしカイルのところへいくわ!!」
「お待ち下さい、陛下・・・・いえ、ユーリ様!!」
急いで部屋を出ようとするユーリを、ハディは呼び止めた。
「その、おへやには医者もおりますので・・・。普段のお言葉使い・・・つまり、
 陛下のお言葉使いででお願いしますね。」

ところ変わって、ユーリの部屋。
ベットには、カイル。
しかし、医者の目にはユーリの姿が映っているわけで・・・・・。
「あのぉ、ユーリ様のお子さまは、今、どのくらいなんでしょうか?」
呆然としていて声のでないカイルの代わりにキックリが訪ねる。
医者は、平然と答えた。
「今、三ヶ月ですよ。」
三ヶ月・・・・。あと、七ヶ月のうちに元に戻らなければ!!
バタン!!!
「カイ・・・・・ユーリ!懐妊したって本当!?・・・・か!?」
「えぇ、カイル。そのようなのよ・・・・・。」
キックリは、気を利かせて医者を追い出した。
気を利かせてというよりは、早くでてけ・・・ってかんじだが。
「これは大変だぞ、ユーリ。早く元に戻らなければ。」
医者がいなくなったのを見て、2人は、もとの言葉遣いにもどる。
「そうね、ほんきで考えなくちゃ・・・・・。」



ところかわって、ユーリの部屋。
ベットの上には、カイル。
しかし、医者にはユーリの姿が映っているわけで・・・・・。
事情を知っている側近達は妙におちついていない。
「・・・ユー・・・カイルには知らせたの?」
「えぇ、今ハディを向かわせました。・・・あのぉ、「ユーリ様の御子は、どのくらいですか?」


第5話   カイル、初体験             作 しぎりあさん

「だいたい、遅れていると思ってたのよね・・・」
 カイルの顔がオネエ言葉を使うとこわい。ユーリは爪を噛みながら、うろうろと動き回った。
 一方のカイルは、寝台の上で青い顔をして座っていた。
 さきほど、あまりにもショックな事があったからだ。
「とにかくカイル、産み月までになんとかしないと」
「・・・知らなかった・・・」
「何が?」
 カイルは身震いすると、自分の肩を抱いた。ユーリは怪訝そうにのぞき込む。
 妊娠していたのがそんなにショックなのか?(ショックだろうけど)
「お、おまえ・・いつもあんな事・・・」
「?」
 カイルはユーリを見上げた。涙目になっている。
「医者は指を入れたんだぞ!!わ、わたしの・・いや、おまえのか・・とにかく」
「もしかして、触診のこと、言ってる?」
「触診?そう言うのか?」
 考えてみれば、カイルは誰からもそんなことはされたことはないのだ。したことはあったが。(診断のためではない)
「ああ、慣れてよね。毎回お医者様に診てもらうときはいつもそうよ」
「ええっ!?」
「だって、そうじゃないと赤ちゃんの様子、確かめられないじゃない」
神妙な顔をして、医師が入ってくる。
 寝台に横たわるユーリ(じつはカイル)。
「では、よろしいかな」
 全然よろしくないが、カイルはしぶしぶうなずく。なにしろ、腹の中にいるのは自分の子供だ。万が一のことがあってはならない。
 カイルの心の中を知らずか(知らないだろう、なにしろユーリは経産婦だ)医者はにこやかに談笑などしながら手を洗っている。
 双子が、そろそろと長い衣装のすそを持ち上げた。ちょうど幕が張られた形になって、カイルからは医者が見えなくなる。
 それが、余計に不安をかき立てる。
 やっぱり、というか、慣れない。
 カイルは必死に目を閉じた。
「はい、お気を楽にして~」
 楽にできるか!!だいたいなんだ、おまえは!!(注:医者である)私のユーリの身体に馴れ馴れしく触るな!あっ、なにをするんだ!そ、そんなことをっ!!
「順調です、ご安心下さい」
 にこにこしながら医者が言った。それをカイルが涙のにじんだ恨みがましい目で見上げる。
「良かったですね、ユーリさまっ!!」
「先生、ご苦労様、さがってよろしいと、ユーリさまも言っておられますわ!!」
 双子が必死にフォローする。変化を気取られてはならないからだ。
「カイル、どうだった?どうってことないでしょ?」
 物陰から伺っていたユーリ(カイルの姿だ)が言った。  

第6話 診察の後          作 おさかなさん

ユーリを見るカイルの目はまだ潤んでいる。
「カイルどしたの?」
「ユーリ…お前、毎日あんなことをされているのか…?」
カイルは信じられないといった様子でつぶやいた。
思い出すのもおぞましいといった感じだ。
そんな自分の青い顔を見て、ユーリは思わず笑った。
「初めてだからびっくりしただけだよ!慣れてくれば平気だから」
慣れてくればだと!?あの男は慣れる程、お前に触っているのか!?
「…カイル、お医者様なんだよ?赤ちゃんの様子診てもらわないと困るでしょ!」
ユーリはカイルの考え読み取って言った。
しかし、いまのカイルには何を言っても無駄のようだ。
「カイルってば」
今までユーリの診察に立ち会ったことはなかった…
そもそも本当に診察なのか?
毎晩、わたしがユーリに触れるとき(それもこれも、こんな事になる前の話だが)、ユーリは「やだ・・・」とか「ちょっと待って・・・」とか、微かな抵抗を見せる。
それを今まではかわいいと思うだけで、気にしなかったが、本気で嫌がっていたのだろうか?
それなのにあの男(もはやカイルの頭に、医者という職業はない)には、ためらいもなく触れさせるのか?
わたしが政務で後宮に顔を出さない間に、あの男が会いに来るのか?
「あの男の方がいいのか・・・?」
「へっ?」
さすがのユーリも言葉の意味が理解できず、変な声を出してしまった。
カイルは呆然としている。
「わたしが触るのは嫌なのか!?わたしじゃ、ダメなのか?」
「だってカイルじゃ、順調かどうかわかんないでしょ!」
「そんなことはわからなくても、お前のことは、わたしが一番よく知っている!!」
「そんなの関係ないよ!」

「リュイ、シャラ、どうかしたの?」
「しっ!姉さん、ユーリ様も大変ね!
 陛下には初めてのことだったから、さっきのが、いつもご自分がユーリ様にしてらっしゃる愛撫と、ユーリ様にとってはぜんぜん違うことが、おわかりにならないんだわ!」
「・・・。」


この物語の続きを書いてい見ようと思う方をお待ちしております
関連記事
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

この記事へのコメント:

管理人のみ通知 :

トラックバック:


検索フォーム
プロフィール

ひー

Author:ひー
ほぼ更新もせずほったらかしの管理人です。
パスワードの返信もできておらずご迷惑をおかけしてます。

パスワード公開
花男愛を半角英でご記入ください。
多分見れるはず。
掲示板へGO

なかなかなくならない誤字脱字。
日々の更新で時間が無くなり添削が不十分で御見苦しいところをお見せしてます。
誤字脱字があればお知らせいただけるとすご~く助かります。
お助けを~~~~~。

バナー


バナー

ご案内
初めてお越し頂いた方へ

ご訪問ありがとうございます。
初訪問の方およびPWご希望の方は 『こちらの記事』 をお読みになった上で御観覧いただけますようお願いいたします。
別館ブログ始動
二次小説作成裏話。。
たま~に花男ショートUPしてます♪
花男相対図
大まかな作品の登場人物相対図を作成してみました。 クリックすると大きく表示されます。
相対図1 リターンズ2 相対図2
カテゴリ
類 (5)
ブログ村ランキング
ブログランキング
ランキングにもご協力いただけたらうれしいです♪お気に召しましたら下のバナーをポチッと応援してますの1票をお願いします 執筆の励みにさせてもらってます。
ブログランキング・にほんブログ村へ
只今の訪問者は
現在の閲覧者数:
カウンター
メールマガジン
更新状況をメールでお知らせします。

メールアドレスを入力してください:

配信: FeedBurner

人気記事ランキング
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
71位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
二次小説
43位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム
カレンダー
02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
お知らせ
ラウンド現在時刻



総記事数:



Twitter
最新コメント
花男二次サイト
お世話になってるサイト様
:曼陀羅華  

イチャコラ推進委員会 

君を愛するために

花の宮

花も嵐もー

丸々猫

Ff-boys × girl

reinnbou

やこさんのイラスト帳

clover crown 

みかんの箱  

おとなのおとぎばなし  

リンク
月別アーカイブ
RSSリンク
QRコード
QR
グーバーウォーク